みなと

ドラマだったら、ある瞬間に戻ってやり直すことが出来ても現実は全てが一回勝負。

大切な人が亡くなった悲しみも、好きな人と別れてとてもつない悲しみに打ちひしがれた日々も、時間は残酷なくらいに全てを洗い流す。それは悪いことではない。また新しい人と出会って、新しい世界に入り、また始まっていく。そうして前の世界は少しずつ消えていく。

だけど、いつかは忘れて、また次がある、それが人生だと割り切れるはずがない。

積み重ねてきたことは、もう触れられない過去の残像になるのだ。凝固された思い出はその時の温度感や熱量を共有できる相手がいなくなったときから消失していくのだと思う。

昔、多摩に試験を受けに行った。試験の終わりに迎えに来てくれたあの日がずっと自分の中心だった。あの日の朝、帰り道、この曲を聴いていた。そしてその時の合格が今の当たり前に繋がっている。

https://m.youtube.com/watch?v=GiuxvmiULhI