10年前の君へ

夢を見た。起きたらなぜか泣いていた。

中学生、高校生、大学生、現在の夢だった。思えば誰といても何をしていても孤独を感じることが多かった。君なら何でも出来るよ、と死ぬほど言われた。だけど自分が何者なのかいつもわからなかった。だから、自分が何かをするより、必要としてくれる人の望みを叶えることが自分にとっての喜びだった。自分も何かになれると思えた。人を幸せに出来るのだと実感出来たこと、それが自分の誇りだった。

でもそれじゃダメだったんだ。掴んだと思った幸せは一瞬で崩れ去った。幸せには出来なかった。それがただ唯一の事実だ。